日本自律神経学会


学会概要

理事長挨拶

日本自律神経学会理事長 黒岩 義之自律神経系は生物の「自律性」から進化した生命神経系です

 すべての生物は太陽の周りを公転する地球環境の下で自らの生命体を制御しながらそれを保守していく運命を担っています。植物界も含めて生物は「自律性」活動の結果、概日時計をもち、内部環境の恒常性を保持し、体内器官の自動的制御を行っています。長日条件や短日条件に依存する植物の開花現象は「自律性」活動の分かりやすい例です。このような生物の「自律性」活動は、岩石やヒトが作った機械など無生物にはありません。地球史の流れの中で生物の進化とともに、この「自律性」活動を統合的に制御するために自律神経系が誕生しました。系統発生的には、概日リズム系、体液性調節系(内分泌・代謝系)、消化・吸収・排泄系、呼吸・循環系、皮膚・発汗系、免疫系、情動・認知系などが次々と自律神経系に組み込まれ、ヒトを含めた動物の「自律性」活動が統合的になされるに至りました。自律神経系は、万が一その働きを失えば生命にかかわる重要な調節系であり、生命神経系とも呼ばれます。

日本自律神経学会のミッションは自律神経系に関わる基礎研究、臨床応用、人材育成、社会啓蒙です

 自律神経系は、内臓諸器官機能の相互の調和を保つ調節系であると同時に、精神活動の座である脳とこれらの内臓諸器官の相互作用を営む場です。従ってその研究分野はきわめて多くの領域にわたっています(血圧や脈拍の変動、消化管や消化腺の活動、排尿や排便、体温の調節、ホルモンの分泌、生殖活動、そして瞳孔の調節など)。このように数多くの器官に関わる自律神経系の研究は、基礎医学から臨床医学の広い分野に及びます。基礎医学の研究分野は様々な分野に関連し(形態学、生理学、生化学、免疫学、病理学、遺伝学など)、臨床医学においても、その領域は様々な診療科にまたがります(神経学、消化器病学、循環器病学、内分泌代謝学、泌尿器科学など)。また西洋医学だけでなく、東洋医学(漢方、鍼灸)にも関連し、医学に止まることなく、生物学、薬学、体育学などを含んだ生命科学の広い領域の研究者が、自律神経系の研究に従事しています。本学会は、真に学際的な研究発表と意見交換の場としての役割を演じると同時に、自律神経系の働きの様々な障害に悩まれる方々の診療とその治療法の開発、人材育成(自律神経系に関わる教育)、社会啓蒙についても、積極的に活動しております。これらのミッションを実現するために本学会には委員会を設けて体制を整えております(編集、学会あり方、自律神経機能検査法、医学用語、国際渉外、学会教育、広報、保険、利益相反、学会賞選考の各委員会です)。

日本自律神経学会は2017年に国際自律神経科学会議を日本で開催します

 本学会は、1956年に国際自律神経研究会日本支部会として発足、1973年以降は、日本自律神経学会と名称変更して今日に至っております。実に今年で59年の歴史を誇る最も伝統ある学会の一つです。本学会は1977年の第18回国際自律神経学会(東京、冲中重雄会長)、1990年の第20回国際自律神経学会(東京、吉川政己会長)、2007年の第5回国際自律神経科学会議(京都、岩田誠会長)の三回にわたり、国際会議を日本で主催しました。本学会は2017年秋には通算、第4回目の日本開催となる国際会議(国際自律神経科学会議)を主催予定です。今後も世界の自律神経研究をリードすべく、本学会は発展しなければなりません。 本ホームページは、日本自律神経学会の会員のみならず一般の方々にも、本学会の活動についての情報をお届けするためのものです。皆様あっての本学会です。本学会へのご指導、ご支援を心よりお願い申しあげます。

日本自律神経学会
理事長 黒岩 義之